そこは偽りの窓にあらず – 広島県呉市における日系ブラジル人の分かち合いの集落

梶村 星貴

– 地形に寄り添う場のあり方について–
広島県呉市広。ここは明治時代に優良農村として最初に表彰された有名な農村地帯だった。しかし、海軍工廠の誘致により、その田園的性格は失われ、街は工業化されてきた。広はその農村として独自の都市計画また「広市」としての独立も視野に入れてきたが、街全体の反対運動も虚しく呉市に合併させられた。その広の街中におけるある掘削地。そこは、戦時中部落が存在し人々が押し込められてきた土地である。今はもう、その跡形もなく地肌がむき出しのまま。今現在、広は工業に従事する外国人労働者が多数存在するものの、彼らと街の人との関わりは乏しい。そのような掘削地に対して、かつての田園風景を取り戻し、そこに人々がどのように集い、植物と人、人と人が関わり合いを持つことができるかを主題におく。具体的なプログラムとして、温室、教会、居住、コミュニティ施設である。建築の形態は地形に寄り添い展開していき、あちらこちらに様々な植物が介入してくる場を設けていく。