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令和8年度 長岡造形大学 入学式を挙行しました

2026.04.03 お知らせ

令和8年度長岡造形大学入学式を挙行しました。
造形学部259名(デザイン学科162名、美術・工芸学科36名、建築・環境デザイン学科61名)、大学院19名(修士課程16名、博士(後期)課程3名)、あわせて278名の学生が入学しました。

このたびはご入学、誠におめでとうございます。

学長式辞(全文)

 本日、長岡造形大学造形学部、大学院造形研究科に入学する278名の皆さん、おめでとうございます。保護者の皆様、そして家族の皆様にも、長岡造形大学の教職員を代表してお祝いを申しあげます。
 また、来賓の方々には、入学式にご臨席賜り、誠にありがとうございます。お礼申しあげます。

 さて、皆さんは数ある大学の中から「長岡造形大学」を選び、本日、入学式を迎えました。本学は名前の通り「造形」を学ぶ大学です。これから四年間、大学院の方は二年間、三年間となりますが、皆さんは、この大学で何を学ぼうと考えているでしょうか。

 ここからは、学長として皆さんが、長岡造形大学で受ける「一番最初の授業」として、授業全体の「ガイダンス」、つまり本学における授業の「あり方」をお話ししいたいと思います。しっかりと聞いてください。

 本学で学ぶ「造形」とは文字通り「形」を「造」ることです。そのため、学部一年生の皆さんは先ず、「基礎造形」の授業を受けます。そして、この授業で最初の「課題」が「立方体」の制作です。
 月曜、火曜に先生から制作について説明があり、皆さんは金曜の朝、完成させた「立方体」を提出します。先生からは様々なご指導があるでしょう。そして皆さんはいろいろな疑問を先生方に投げ掛け、「これでいいでしょうか」、と尋ねるかもしれません。
 この時、先生は何と答えてくれるでしょうか。楽しみですね。

 一通りの、お答えはして頂けると思いますが、大方、最後は
 「自分で判断しましょう」とする、答えであると思います。

 基礎造形の授業がさらに進むと、その度合いはどんどん増えて行きます。平面の画面に、線や図形を配置して彩色を行う「平面構成」では、例えば
 「雨」を題材に表現してください
というお題が出るかもしれません。こうなると、先生方は基本的な、配置、色彩などの講義はなさってくださいますが、どのような色、形、配置にするのかは、全て、皆さん方が「自分で判断」することになります。

 まして、いろいろな先生に聞いたところで、先生ごとに異なる反応が返ってくることも多多あります。

 一方、隣りの人の作品を覗くと、自分と全く違う形や色を使っているかもしれません。

 何故でしょうか。

 造形大学は一学年二五〇人程とそれ程多い人数ではありませんが、毎年、全国、即ち、北海道から沖縄までほぼ全ての都道府県から、学生の皆さんが進学しています。

 つまり、造形大学に集った一人一人の皆さんが、生まれてこの方、見てきた山の姿、川の流れ、空の広がり、雨や雪の降り方などは、全て異なり、そこから様々なことを感じ、学んだ結果として、本学に集っているのです。また、一緒に食卓を囲んだ家族との会話、読んできた本、見てきた動画も一人一人が全て異なるものです。

 このように一人一人の皆さんが、異なる「考え方」、異なる「感じ方」を携えて、この大学にやって来ています。そのため、先生から一つの「課題」を出されても、これに基づく「発想」は当然、千差万別であり、これが皆さんの手と道具を通して「形」となるため、様々な「作品」が生み出されることとなります。

 これは対応する先生方も同様です。「造形」というくくりの中でも、それぞれが異なる、デザイン、美術・工芸、建築・環境という専門分野を持つため、「もの」を造ることへのこだわり、考え方は全く異なるものとなっています。

 一方でこの、全国から集った「一人一人が皆、違うこと」こそが、この大学の特色の一つであり、長所でもあります。自分の隣りに座る人が自分とは違うこと、引いては世界には様々な人がいて、多様な価値観のあることを驚くとともに、これらを受容することが必要であることも感じとってください。
 一人一人の違いを尊重することで、様々なものの見方、考え方が、自分自身の中で新たに創出されてきます。これこそを大切にして下さい。

 このように、一人一人異なる皆さんが「造形」の課題に臨んだ場合、回答はこの課題に挑んだ人の数だけ並ぶこととなります。しかし、この中には最も適切な、「最適解」は存在します。是非、これに挑んでください。

 さて、もう一つ。皆さんがこの学校に来て学ぶことに「地域」と、これを取り巻く「社会」があります。
 皆さんは、本学における建学の理念をご覧になっていますか。これは

 「造形を通して真の人間的豊かさを探求し、これを社会に還元することのできる創造力を備えた人材を養成する」

 とするものです。

 本学は地域の学校として三二年前、長岡市を中心として公設民営の大学として開設され、公立大学となって一二年が経ちました。この間、地域に開かれた大学として、「理念」では、皆さんが造形を通して得た「人間的豊かさ」を「地域」、「社会」へ還元することを掲げています。
 そのために大学では「地域協創演習」とよぶ授業も設けています。

 皆さんは「地域協創演習」などの授業により、地域に足を運ぶことで、大学の授業や教科書からだけでは学ぶことのできない、地域の「課題」や問題、考え方も、直に知ることができます。

 加えて、本学では創立以来、学生寮は設けておらず、教職員と学生のすべてが「まち」に住んで、生活をしています。つまり大学に集う、すべての人がまちで買い物をして、社会人として、長岡というまちと、地域社会の形成にも寄与しているのです。

 そして、皆さん方の多くは大学で学び、地域で生活し、加えて近隣施設でアルバイトをすることを通して、多くのことを学び、「人間的豊かさ」も磨くことになります。
 二週間程前にあった、卒業式後の祝賀会でのことです。会の途中から学科ごと、研究室ごとの記念撮影が正面の檀上で始まりました。ここまでは連年のことでした。ところが最後の方で、近隣の「○○ホームセンターでのアルバイト、集合!」の声が掛かりました。
 檀上には一〇人程の学生が集まり、胸を張って記念写真の撮影をしていました。
 よく見ると、ホームセンターを訪れた折、分け隔てなく、丁寧に品物の場所を教えていた受付係や、レジ係員の顔を確認することができました。

 卒業生たちは、仕事を通して地域に貢献するとともに、社会人として、他者を思いやる気持ちや、「人間的豊かさ」も身に着けていたようです。

 ご家族のみなさん。本学は八割の学生が県外から進学し、大学では「正解のない課題」に向きあいます。そして地域で生活し、「地域の課題」にも果敢に挑みます。加えて近隣でのアルバイトなどを通し、社会の一員として成長を遂げ「人間的豊かさ」も獲得していきます。

 つまり、新入生の皆さんがこれから学ぶ場は「大学」と「地域」、そして「社会」と考えてください。

 大学では全国からの友達、そして地域、社会では様々な年齢の方々と接し、交わることができます。これは皆さんにとって大きな宝物になると考えます。
 その上で

 「未来に対して自ら考え、立ち向かうことのできる学び」

 を是非、獲得して下さい。
 皆さんはこれから生まれた地とは異なる、この長岡の地で学びます。これは皆さんにとって特別な体験を幾つも提供します。大きな空。滔々と流れる信濃川。夏の花火。冬の雪。どれも、この地でしか経験のできない貴重なものです。

 不安もたくさんあることでしょう。
 しかし、この長岡の地で、造形に対して、多くの友達とじっくりと向き合い、地域と社会に鍛えられ、自分の進むべき未来を探し出して下さい。

 よろしくお願いします。

 以上を、この大学、地域と社会における学びのガイダンスとします。

 ガイダンスですが「授業」としましたので、課題を出しておきます。
 〆切りは四年後、大学院の方は修業年限の二年後、三年後となります。
 皆さんが、この「大学」、「地域」「社会」で学んだ成果を、私達に突き付けてください。

 そして新しい「未来」を私達、教職員と、地域、家族の方々にもお示し下さい。
 「未来」への道を開拓するのは皆さんの役割です。よろしくお願いします。

令和八(二〇二六)年四月二日
長岡造形大学 学長 平山 育男