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とじる
2026.05.20 学生

ドイツ トリアー留学報告

はじめに

はじめまして。長岡造形大学大学院 修士課程 建築・環境デザイン領域 2年の平川真太郎です。
(2026年3月に修了)

学部、修士課程と、山下秀之先生の研究室に所属し、建築デザインを勉強してきました。

私は、2024年8月から、2025年9月にかけて、ドイツ、トリアー応用科学大学に交換留学を行いました。トリアー応用科学大学は、長岡造形大学と協定を結んでおり、多くの学生が、交換留学を行っています。今回は、私の留学の一年間をレポートしたいと思います。この先、留学に行きたい方や、留学に行きたいけども不安や心配がある方の背中を少しでも押せればなと思います!

まずはアイルランドへ語学留学

ドイツ・トリアーへ留学する前に、1か月半程度、アイルランドで語学留学を行いました。アイルランドでの語学留学では、ダブリンのホストマザーのもとで1か月半滞在し、昼間は語学学校に通いました。

左:トリニティ・カレッジ(ダブリン)
右:トリニティ・カレッジの図書館はスターウォーズのモデルになったとされていて、観光名所にもなっています。

アイルランドには、黒ビールとして有名な、ギネスビールの本工場があります。ビール好きにはたまらない場所です。

左:ギネスビールの見学施設
右:屋上ではギネスビールの出来立てをいただけます。

語学学校には、南米出身の学生が多く、彼らが不完全な英語でも積極的に会話しようとする姿勢に刺激を受け、「完璧でなくても、とにかく口に出すこと」の大切さを学びました。この経験は、その後のドイツでの生活にも大いに生かされました。

左:ダブリンでお世話になったホストマザー
右:語学学校の友人たち

いよいよドイツ到着

トリアーは、ドイツ南西部に位置する小さな街です。西暦200年に建てられた世界遺産ポルタ・ニグラがシンボルのこの街は、ドイツで最も古い街の一つとされており、資本論で知られるカール・マルクスの生まれの地でもあります。

ポルタ・ニグラ

建築学科では、都市計画的な視点から街を分析する演習が多く、日本での専攻内容とはやや異なるものでした。しかし、日本の建築観とヨーロッパの建築観をつなぐ設計を心がけ、「日本から来た学生だからこそできる提案」を意識して取り組みました。

授業は主にドイツ語で行われ、日常会話は英語を用いました。ドイツ語力が十分でなかったため、教授の許可を得て授業を録音し、翻訳と復習を重ねて理解に努めました。また、自ら積極的に質問やエスキースをお願いすることで、遅れを取らないよう努力しました。英語とドイツ語を併用しながら作品を発表・討論する経験は、今後の研究や実務においても大きな糧となりました。

その中でも、留学生との交流を通じて英語力を伸ばしました。ドイツ留学中は留学生用の学生寮に滞在していたため、日本人が周囲にいませんでした。そのため、必然的に英語で話す環境に身を置くことができたのが幸運でした。

学生寮の友達とのパーティの様子

学生寮では定期的にパーティーが開かれ、多種多様な国から集まった友達と、ともに時間を過ごすことは、国際的な交流力を育むことにつながりました。

また、好きなイギリス人俳優のインタビュー動画を繰り返し視聴し、モノマネを通じて英語のリズムや発音法を身体的に習得する練習を続けました。その結果、現地の友人から「日本人らしいアクセントが少ない」「発音がきれいだ」と言われるまでに上達しました。今後もこの成果を維持・向上させていきます。

ドイツの文化(日常・食)

ドイツで最も印象的だった文化の違いは、閉店法によって日曜日にほとんどの店が営業していないことでした。土曜日にまとめて買い物を済ませ、日曜日は家族や友人と過ごす「完全な休息日」として社会全体が受け入れていることに驚きました。

ちなみにどうしても日曜日に買い物をしたいときは、電車でルクセンブルクに行きましょう。トリアー中央駅からルクセンブルク中央駅まで1時間で行けます。それがトリアー流です。トリアーにはない大きなショッピングモールもたくさんあるので買い物好きな人にはお勧めです。

ルクセンブルクの街並み

日本では365日営業のコンビニやショッピングモールが当たり前ですが、ドイツでは「働かない時間」を意識的に確保する文化が根付いています。この違いを通して、労働と生活のバランスに対する考え方を見直すきっかけになりました。

ドイツの食文化と言えばやはりビールとソーセージです。僕のお気に入りは、Weiss beer と呼ばれるもの。日本で一般的に飲まれるものとは異なり、バナナのようなフルーティーな香りと、柔らかな苦みが特徴で、とっても美味しいです。ソーセージも輪切りにしたものに甘辛いソースをかけて食べるものが、街中のスタンドで売られています。これも手軽でとてもおいしいです。

Weiss beer

研究・スポーツ・旅行

僕の留学生活において、最も刺激的で実りが多かったのは、学業よりも、それ以外の活動でした。研究っ調査で他国へ行ったり、他大学と交流したり、地元のスポーツチームに参加したり。新しい環境に身を置いて、様々な文化を肌で経験することは、自分自身をもっとも成長させてくれたと、改めて感じます。

〈他大学との交流〉

トリアー応用科学大学だけでなく、隣接するトリアー大学とも積極的に交流しました。特に同大学の日本文化学科の学生との交流では、「外から見た日本」という視点を通して日本文化の独自性を再発見する機会となりました。

〈研究活動〉

2025年5月、スイス・チューリッヒを訪れ、3Dプリント建築技術に関する取材と研究視察を行いました。最先端の技術を直接見学し、実際の現場の研究者の方に質問することもでき、自身の修士研究「3Dプリント建築の造形研究」に新たな視座を得ることができました。

スイス・チューリッヒでの研究視察

〈インターン〉

留学生活の締めくくりとして、2025年7月から、ドイツ・フランクフルトの建築事務所「Schneider + Schumacher」での1か月間のインターンシップをさせていただきました。仕事はドイツ語と英語の半々で行われます。正直、一年前の自分では絶対に働けていなかったと思います。

そこでは、「効率よく働き、人生を楽しむ時間を大切にする」ドイツの働き方を目の当たりにしました。子どもの送迎や休暇を優先しつつも、仕事の成果を高い水準で保つ姿勢に深い感銘を受けました。日本の働き方を見つめ直す契機にもなりました。

〈スポーツ〉

僕は幼少期からずっと野球をやってきました。ドイツでも野球がしたいなと、スーツケースにグローブを押し込んできましたが、なんとトリアーにも野球チームがありました。

ドイツ野球リーグ3部の「Trier Cardinals」。ドイツは、野球があまり盛んではない国ですが、しっかりしたグラウンドと、温かいメンバーがいました。僕以外のメンバーはドイツ人や、南米系の人たちなど人種は多種多様。英語も通じない環境でしたが、スポーツには言語の壁がないことを再確認しました。
そんななか僕は、投打の中心としてリーグ制覇を経験。地元紙にも取り上げられました。

Trier Cardinalsの仲間たち
取り上げられた地元紙
 

また、トリアー大学の学生とともに設立されたソフトボールチーム「Trier Kamikatzen」に参加しました。ドイツ各地で試合が行われるたびに、車で会場まで移動し、時には前乗りや遠征と、非常に楽しい時間を過ごすことができました。僕は、チームの中心選手として、ドイツリーグ決勝トーナメント進出・5位入賞に貢献しました。

Trier Kamikatzenの仲間たち

インターンでフランクフルトに滞在していた際、現地の知り合いに誘われて日本法人主催のソフトボール大会では、「Frankfurt Sausages」の一員として出場しました。5番・一塁手としてチーム6年ぶりの優勝に貢献しました。

Frankfurt Sausagesの仲間たち

〈旅行〉

ドイツは、地理的に様々な国と隣接する国です。そのためいろんな国に旅行に行きやすいです。僕も、ルクセンブルク、フランス、スイス、イギリス、ブルガリアと様ざまな国に旅行に行きました。

左:エッフェル塔/フランス 右:ノルマンディー湾/フランス

左:ブルガリアの街並み 右:Therme Vals/スイス ピーター・ズントー設計の療養施設

このように、学業・研究のみならず、スポーツや地域交流を通じて多様な文化的接点を築いたことは、留学生活をより実りあるものにしました。

おわりに

今回の留学で最も大きな変化は、自分を卑下せず、主体的に行動する姿勢が身についたことです。海外では、積極的に発言・行動しなければ誰も助けてくれません。日本で「謙虚さ」とされる態度が、国際社会では時に「自己主張の欠如」と受け取られることを実感しました。

また、友人との日常的なコミュニケーションを通じて、「良いと思ったことを素直に伝える」習慣を身につけました。お互いを認め合う文化の中で、自己肯定感と自信を構築していく過程を実感しました。

留学に行く前は、不安ばかりで、本当に大丈夫かと思っていましたが、終わってみれば1年って本当にあっという間です。そして本当にいってよかった。心からそう思います。

その証拠に将来的には、再び海外で活動することを視野に入れています。以前の僕では、考えられません。これからも努力しつづけ、どの国でも通用する人間として成長していきたいと考えています。