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とじる
2024.03.12 教員

【授業紹介】建築・環境デザイン演習Ⅰ
建築初心者もまずはここから!

数ある中から注目の授業を紹介するシリーズ。今回は、建築・環境デザイン学科の1年生が後期に履修する「建築・環境デザイン演習Ⅰ」にフォーカス。建築士としても活動する佐藤淳哉教授津村泰範准教授に話を聞きました。

「建築ってどうやるの?」を知る

「建築・環境デザイン演習Ⅰ」はどんな授業ですか?

佐藤
建築・環境デザイン学科1年次の後期の授業です。実際に手を動かして図面や模型などの作品を作ります。
この授業の目的は、建築分野のものづくりにおける全体の流れをつかむこと。本学科に入る学生は、高校の普通科出身の人も、建築系の学科で学んできた人もいます。大学で初めて建築を学ぶ学生はスタートラインが異なるので焦るかもしれませんが、この授業の頑張り次第でかなり追いつくことができますよ。

佐藤教授

学生は互いに切磋琢磨できますね。演習の課題はどんなものがありますか?

津村
課題は4つあります。第1課題は「二人部屋」がテーマ。ヨコ5.4m×タテ5.4m×高さ5.4mの室内空間に学生二人がルームシェアをする設定で、共有スペースとそれぞれのパーソナルスペースのインテリアを考えてもらいます。

第2課題は「蔵座敷」。日本の伝統的な建築の寸法を用いて、第1課題と同じく内部空間の構成について考えてもらいます。「間(けん)」や「尺」といった日本伝統の寸法体系は、現在の普通の住宅設計でも使われますし、伝統建築や古民家を扱う際にも欠かせません。

津村准教授

佐藤
第3課題は「フォリー」。フォリーとは公園や庭園にある装飾的な建物で、四阿(あずまや)のようなものです。大学のキャンパス内に建てることを想定し、ランドスケープデザインも考慮して設計を考えます。

第1・2課題は内部空間を考えるのに対し、第3課題では「架構(柱と梁による構造物)」と「敷地」の概念が出てきます。建物自体で自立する架構の造形を考えると同時に、自分のデザインした構造物が外からどのように見えるかを検討するということです。キャンパス内でなぜこの場所を選んだのか、この場所に相応しい建物か。そういった点も講評します。

第3課題「フォリー」の作品

津村
第4課題は「住宅」。1年生の学びの集大成として、インテリアやランドスケープデザインなど、それまでに学んだすべての要素が含まれる課題にトライします。

第4課題「住宅」の作品

授業で取り組んだ成果を展示。学内で誰でも見ることができる

「実物」や「原寸大」を扱う授業と同時に学ぶ

新しい学科体制になって進化した点はありますか?

佐藤
「建築・環境デザイン演習Ⅰ」では1/100などの縮尺で模型を作りますが、実物に触れて本来のスケール感を知ることも重要です。そこで「建築・環境デザイン演習Ⅰ」を補完する授業として「建築・環境表現(1年・後期)」があります。

津村
内容は主に「実測」と「原寸」の2つ。「実測」は、実際の建物を測って図面を起こします。これはインテリアを考えたり、古い建物をリノベーションしたりする際にその建物を把握するために行う作業です。実測することでスケール感覚が身に付きますし、建物の細部まで見る目が養われます。授業でやってみると、同じ建物でも人によって違う図面が仕上がったりして面白いですよ。

「原寸」は、角材と合板を使って42cm×42cm×42cmの立方体を作ります。ちょうど椅子くらいの大きさで、家具を作る際のベースとなる感覚を養います。原寸を扱う経験を1年生のうちにやっておき、それを「建築・環境デザイン演習Ⅰ」と連動させることで、双方の学びをより一層深めます。

内部の構造にそれぞれ工夫を凝らした42cm×42cm×42cmの立方体

佐藤
このスケールを徐々に大きくしていき、2年生の前期では建築に近い大きさでものづくりをします。その作品はオープンキャンパスで展示する予定なので、ぜひ見にきてほしいですね。

完成した立方体をロビーで公開

答えは一つじゃない

授業の時間は、主に図面を描いたり模型を作ったりするのですか?

津村
そうした作業は授業の時間外も利用して取り組むのが基本で、授業中は課題の進捗を教員が確認する「エスキースチェック」を主に行います。建築の演習は、どの学校も大体このスタイルだと思いますよ。

「建築・環境デザイン演習Ⅰ」では、教員6名の中から自分で選んで意見を聞きに行きます。教員ごとに専門や考え方が異なるので、幅広い意見を聞けるのもポイントです。

エスキースチェックの様子

担当教員の6名はそれぞれ専門が異なるので、幅広い考えに触れられる

先生と1対1で。緊張しそうです。

案外、「みんなの前で発表するよりも1対1の方が話しやすい」という学生もいますよ。自分の中にある考えやアイデアを思い切って教員に投げかけられるのは、この授業の魅力の一つだと思います。

いろいろ自由に試せるのは学生の特権ですね。

その通りです。実際の建築の仕事となると多くの条件や制約がありますが、授業では一定の条件の中でどう作るかは自由。「これは正解ですか?」「これはダメですか?」と質問する学生もいますが、答えは一つではないんです。まずは建築の学びを広く経験するという目的で、楽しんで取り組んでほしいですね。

インタビュー中、中庭で雪あそびをする建築・環境デザイン学科の2年生を発見。先生と一緒に記念撮影をしました。

PROFILE

建築・環境デザイン学科 教授
佐藤 淳哉(さとう じゅんや)
関連記事 「新生「建築・環境デザイン学科」について ― 幅広い学びを、もっと自由に」

建築・環境デザイン学科 准教授
津村 泰範(つむら やすのり)
関連記事 「既存建築の再生から仕掛ける街のリノベーション」

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