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建築・環境デザイン特別講義のお知らせ

2023.09.15 お知らせ

地域・市民の方々と大学の交流を目的として、本学では公開講座・講義を実施しています。
この度、「美術・工芸特別講義」、「建築・環境デザイン特別講義」への学外からの一般受講生を募集いたします。

「建築・環境デザイン特別講義」は、建築・環境デザイン分野はもちろんのこと、他分野、他領域、他国においても横断的に活躍している専門家を講師として招く、全4回の授業です。

2023年度の特別講義はすべて終了しました。
ありがとうございました。

講師・講義テーマ一覧

建築ストックの有効活用における専門家の役割-ひらかれる建築・ 「民主化」の作法-イメージ

2023年11月10日(金)

建築ストックの有効活用における専門家の役割
-ひらかれる建築・ 「民主化」の作法-

松村 秀一(早稲田大学理工学術院総合研究所研究院教授)

日本は過去60年以上に亘って世界史に残る量の住宅やビルを建設してきました。その成果としての構築空間は日本のあちらこちらで余り始め、残念なことに空き家や空きビルが問題視されるところまできています。ただ、これらのあり余るストックを私たちのそして未来の豊かな空間資源として捉え直せば、これからの居住環境は今までにない豊かなものになります。今回の講義では、その豊かな空間資源を豊かな居住環境に仕立て直す方法について考えてみます。

続・歴史的建造物の価値 発見と創造イメージ

2023年11月17日(金)

続・歴史的建造物の価値
発見と創造

後藤 治(工学院大学 理事長、総合研究所 教授)

歴史的建造物は価値の発見なくして残してもらうことはできません。一方、残すには定期的な修復が必要です。修復では、単に保存するではなく、その後に価値を可視化することも重要です。最近では、歴史的建造物を使い続け、持続可能な社会に貢献することも求められていると言えるでしょう。
写真の建物は、長岡造形大学津村准教授と私が修復に関わった岩手銀行旧本店本館(岩手県盛岡市)です。

脱炭素社会実現のための建築分野の役割-イメージ

2023年12月15日(金)

脱炭素社会実現のための建築分野の役割

田辺 新一(早稲田大学教授、日本建築学会前会長)

我が国は、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言した。地球温暖化によって豪雨、豪雪、台風、熱波などの気候災害が増加している。古い昔からのことではなく、産業革命以降、特に第二次世界大戦以降の人類の活動による。その対策は単なる環境対策ではない。産業・社会構造の変革が生じる可能性が高い。住宅・建築からの排出は日本全体の約4割程度を占める。我々の分野の役割は大きい。海外経験など国際状況を含めて建築分野の将来を語る。

(写真:筆者撮影。被災地の子供たちに対する科学実験教室の様子)

2024年1月19日(金)

国際協力の現場でのコミュニティデザイン ~トルコシリア大震災からの復旧・復興におけるこころのケア事例を通して学ぶもの~

伊藤 拓次郎(アイシーネット株式会社、インストラクショナルデザイナー)

地域の課題に対して創造的な解決を提案し活性化につなげることは、日本だけではなく世界共通のニーズです。地域の人たちが主体的に自らの課題を考え、議論し、試行錯誤しながら地域の課題に取り組んでいくことを支援するのがコミュニティデザインの仕事です。本講義ではこれまで、国際協力の現場において講師が関わってきたコミュニティデザインの取り組みの具体例としてパラグアイ、ドミニカ共和国、メキシコ、ネパール、ミャンマー、パプアニューギニア、トルコなどの事例を紹介してきました。

2023年2月6日、トルコ南部の都市ガジアンテプ北西を震源とするマグニチュード7.8の強い地震が発生しました。この地域にはトルコ全人口(約8千5百万人)の約13,5%に相当する1,150万人が被災地域住んでおり、更にこの地域に避難している170万人のシリア難民も含め、1,350万人が被災、被害状況は5万人以上の死者と13万人を超える負傷者が確認されており、16万棟の建物が倒壊・損傷し、数百万人が家を失ったと言われています。

UNICEFによれば今回の震災では校舎が崩壊するなどして、トルコ国内で学校に通えなくなった子どもの数は、400万人に上る見通し。また、今回の地震で被害を受けたトルコ南部の10県には、170万人のシリア難民が住んでいて、学校に通えなくなった400万人のうち、35万人はシリア難民の子どもたちだと推測されています。さらに、被災地の多くの子どもたちに、避難生活が長引く中でうつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)が発症していることが報告されています。

このような状況の中で2023年6月より日本の国際協力により、被災地域の復旧・復興支援の一環として青少年のためのこころのケアの提供するための調査とパイロット事業が開始されました。

本講義ではこの調査における現地活動の様子を紹介しながら、被災した人たちが災害から立ち直るために外部者がどのようなことができるのかを受講者の皆さんと一緒に考えたいと思います。