特別講義(建築・環境デザイン学科)のお知らせ
地域・市民の方々と大学の交流を目的として、本学では公開講座・講義を実施しています。
この度、「特別講義(デザイン学科)」、「特別講義(建築・環境デザイン学科)」への学外からの一般受講生を募集いたします。
「特別講義(建築・環境デザイン学科)」は、建築・環境デザイン分野はもちろんのこと、他分野、他領域、他国においても横断的に活躍している専門家を講師として招く、全4回の授業です。
2024年度の公開特別講義はすべて終了しました。
ありがとうございました。
講師・講義テーマ一覧
2024年9月27日(金)
コミュニティデザインと海外における事例紹介
伊藤 拓次郎(アイシーネット株式会社グローバル事業部シニアコンサルタント)
地域の課題に対して創造的な解決を提案し活性化につなげることは、日本だけではなく世界共通のニーズです。地域の人たちが主体的に自らの課題を考え、議論し、試行錯誤しながら地域の課題に取り組んでいくことを支援するのがコミュニティデザインの仕事です。本講義ではこれまで、国際協力の現場において講師が関わってきたコミュニティデザインの取り組みの具体例としてパラグアイ、ドミニカ共和国、メキシコ、ネパール、ミャンマー、パプアニューギニア、トルコなどの事例を紹介してきました。
今回の講義の第1部では2013年から長岡造形大学卒業生が関わっているパラグアイの伊藤公園プロジェクトについて近況も含めて紹介します。第2部では様々な海外の事例をベースに、コミュニティデザインの方法やプロセスについて皆さんと共に議論しながら、将来参加者の皆さんの仕事においてどう活用できるかを一緒に考えます。

伊藤公園プロジェクト@パラグアイ
2024年11月22日(金)
シン・建築ストックの有効活用における専門家の役割
-ひらかれる建築・「民主化」の作法-
松村 秀一(神戸芸術工科大学学長)
日本は過去60年以上に亘って世界史に残る量の住宅やビルを建設してきました。その成果としての構築空間は日本のあちらこちらで余り始め、残念なことに空き家や空きビルが問題視されるところまできています。ただ、これらのあり余るストックを私たちのそして未来の豊かな空間資源として捉え直せば、これからの居住環境は今までにない豊かなものになります。今回の講義では、その豊かな空間資源を豊かな居住環境に仕立て直す方法について考えてみます。

2024年11月29日(金)
シン・歴史的建造物の価値 発見と創造
後藤 治(工学院大学 理事長、総合研究所 教授)
歴史的建造物は価値の発見なくして残してもらうことはできません。一方、残すには定期的な修復が必要です。修復では、単に保存するではなく、その後に価値を可視化することも重要です。最近では、歴史的建造物を使い続け、持続可能な社会に貢献することも求められていると言えるでしょう。
写真の建物は、長岡造形大学津村准教授と私が修復に関わった岩手銀行旧本店本館(岩手県盛岡市)です。

2024年12月13日(金)
脱炭素社会実現に住宅・建築分野は何ができるか
田辺 新一(早稲田大学教授、日本サステイナブル建築協会会長)
今年の夏は非常に暑かった。また、地球温暖化によって豪雨、豪雪、台風、熱波などの気候災害が増加している。気温上昇は古い昔からのことではなく、産業革命以降、特に第二次世界大戦以降の人類の活動による。我が国は、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言した。その対策は単なる環境対策ではない。産業・社会構造の変革が生じる可能性が高い。加えて、エネルギーを巡る国際情勢も不安定になってきている。住宅・建築からの排出は日本全体の約4割程度を占める。我々の分野の役割は大きい。ネット・ゼロ社会実現に向けた住宅・建築分野の未来を語る。
