福本塁准教授が令和6年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しました!
福本塁准教授(建築・環境デザイン学科)が、地域防災教育と自助・共助コミュニティの形成を推進し、世代をこえて防災を楽しく学べる「防災トランプ」を開発するなどの功績を称えられ、令和6年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しました。
○表彰式
日時:令和6年9月13日(金) 14時〜14時20分
場所:総理大臣官邸
■防災功労者内閣総理大臣表彰とは
『「防災の日」及び「防災週間」について』(昭和57年5月11日閣議了解)に基づき、災害時における人命救助や被害の拡大防止等の防災活動の実施、平時における防災思想の普及又は防災体制の整備の面で貢献し、特にその功績が顕著であると認められる団体又は個人を対象として表彰するもの。
■功績の概要
都市防災・都市計画・地域計画及びコミュニティデザインの専門家として、新潟県耐震改修促進計画改定検討委員会、長岡市洪水ハザードマップ作成委員会、村上市空き家等対策計画策定委員会等の委員長を歴任し、新潟県内の防災行政の貢献と地域防災力及び地域コミュニティの強化に尽力している。
また、各地域において深刻化する防災訓練の高齢化問題に対し、防災コミュニケーションツール「防災トランプ」を開発し、防災について地域の人々が世代をこえて能動的に語り合い交流できる場づくりを実現した。参加者の内発的な自助・共助の防災意識をはぐくむ実践効果がみられ、各地域で感染症流行下においても場の運営が可能なモデルを構築、社会実装し、全国的な取組へと展開させ、住民主体の災害対応と、企業主体の災害対応の両軸から自助・共助を促進するコミュニティ強化と防災訓練の運営体制の整備・参加促進に多大な貢献をしている。
■福本准教授のコメント
この度は、防災功労者内閣総理大臣表彰を賜り、誠に光栄に存じます。 2011年の東日本大震災では、発災直後の3月より救急医療チームに加わり、ドクターヘリで南三陸町に調整員として巡回診療業務に従事し、その後、復旧・復興支援活動に携わりました。命に触れる活動を経て、能動的な防災学習の場の必要性を痛感し、能動性をはぐくむ機会を創出するために「防災トランプ」を開発し、「世代を超えて防災について楽しく話し合える場づくり」に尽力してまいりました。
また、コミュニティの回復力に焦点を当て、自助・共助を促進するコミュニティとは何かを考察し、企業の視点から地域の復旧に資するコミュニティの回復力を高める仕組みを見出し、「業助(企業による共助)」という新たな概念を提唱しました。
2020年以降は感染症流行下において対面での防災学習やコミュニティ活動が制限される中、WEB上で実施可能な防災学習システムの新規開発や、アートコミュニケーションの視点を取り入れた、内発的動機を高める場や空間の創出に取り組んでまいりました。
これまでに、本表彰だけでなく、「科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞」「総務大臣奨励賞」「環境大臣奨励賞」「消防庁長官賞」「都市計画学会論文奨励賞」「東北文化奨励賞」など、数々の賞を賜る機会に恵まれました。これらの成果は、いずれも私一人の力ではなく、多くの関係者の皆様のご支援とご協力によるものと感じており、心より感謝申し上げます。
功労と称するにはまだ道半ばであり至らぬ点も多々ございますが、これからも身体が動く限り、防災活動およびコミュニティ形成に全力で取り組んでまいる所存です。この度の表彰を励みに、社会や地域に貢献できるよう、さらに研究および活動に邁進してまいります。
この度は、誠にありがとうございました。
■市長への表敬訪問
9月19日(木)に平山学長とともに磯田達伸長岡市長を表敬訪問し、「地域防災教育と自助・共助コミュニティの形成の推進」に関する具体的な実践例として、「防災トランプ」の活動を中心に紹介しました。
「防災トランプ」は、福本准教授が2011年の東日本大震災における被災地支援を通じて「自分で考え、気付き、行動する姿勢」すなわち「能動性」の大切さを学んだことをきっかけとして、防災研修や訓練の場において地域住民など参加者が「世代を超えて楽しく防災について話し合う場」を作るためのツールとして開発されました。
トランプを使った遊びが参加者同士の話し合いを促進し、話し手と聞き手が交互に役割を担うことで参加者の能動性が高まり、一方的な情報伝達に終わりがちな防災研修などの状況が改善されています。