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とじる
2022.02.21 教員

デザインは笑顔を増やす技術~学長インタビュー~【後編】

2023年4月にスタートする学科新編成について情報発信するシリーズ。第1回の前編では、デザインやデザイナーに求められる役割が拡大していることをお伝えしました。 では、デザイナーは世の中の課題に対してどんなことができるのか? 馬場学長へのインタビューの後編です。

長岡造形大学が目指す未来

大学の今後のビジョンを聞かせてください。

デザインは、そもそもラテン語で「計画する」「企てる」という意味。そう考えると、建築や、道路を作るのも、行政サービスもデザインですよね。絵が好きで描いたり、きれいに配色したりする美的センスを持つ人がデザイナーと思っている人が多いですが、それだけではないのです。

本学では、生活のカタチを創造し、構築するとき、計画性を持ってものごとを考えられる人を育てることが必要だと考えます。そこに説得力を持たせるために、その場で素早くスケッチしたり、パソコンで図面を作ったり、立体を作って見せたりすることができる。つまり、計画する能力と実装する技術を合わせ持つデザイナーを育てることが本学の目指すところです。かゆいところに手が届き、みんなが見たいものをすぐに提示できる「スピード感」もデザインの強み。スピーディーに最適解を示すことで、豊かで幸せな社会を作ることができます。

今、AIやIoTなどの先端的技術によってDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進され、急速に社会の在り方が変容しています。世界の人々がどのような生活をしているのか、身近な人たちがどのように活動しているのか、社会の動きを素早くキャッチし、反応することができるためには、統計学や哲学といった多様な教養知識も学びながら、知見を広げることが必要です。

立て看板を「描く人」ではなく「巻き込む人」に

進化した長岡造形大学で学ぶメリットは、どんなことがありますか?

深く多様性に富んだデザインの基礎をここで学べば、その努力はしっかりと自分に返ってきます。学生は今の社会の状況を直感的に理解していますよね。急激に変化する世界の中で、何を支えに、何を自分のアイデンティティとするか。そこで学び得たものをどう社会に役立てるか。長岡造形大学での生活は、それを考える4年間です。

モノを作る手技だけではなく、人々の生活に身を置くことで気づく楽しさや、考えたことが人に影響を与えるワクワク感。本学ではそれを味わうことができます。大きなキーワードは「共感」。
今の時代は、他者の思いに共感し、課題をどのようなプロセスで解決するかが求められています。

例えば、体育祭の立て看板を例に考えてみましょう。絵の好きな人が描いた看板も素敵ですが、どうやったらクラス全体が盛り上がるかを考え、意見を聞き、みんなを巻き込み、共感できる画面にしようと発想すること。みんなでアイデアを出し合い、話し合うことで、応援の場を作り出す、それがデザインの力です。その記憶や体験はその後の豊かな思考と行動力へとつながります。

アイデアは至る所に

高校生にメッセージをお願いします。

ゼロから作るのは楽しくもあり、不安なことでもあります。「周りは自分より上手な子ばかりかも」と不安に思う学生も多いですが、みんな同じように思っています。教授陣もそれを理解した上で様々な授業に取り組んでいます。そこでつまずいたり、遅れたりすることを怖がる必要はありません。そういう経験を日々することで人に優しくなれたり、自分はこれでいいんだと思えたり、能動的にコミュニケーションが取れるようになったり。それが本学の教育のDNAです。

2〜3年経験を重ねると、ある時スイッチが入ったようにガラッと変わる瞬間が訪れます。学生を見ているとすぐに分かりますよ。自分と社会との線が見えるとでも言うのでしょうか、私はこういうことができるんだ、と自信を持つポイントが出てくるんです。不安はあるかもしれませんが、大学では様々な形でサポートする体制がありますから、どんどんチャレンジしてください。

こういう社会にしたい、こういうことを人のためにしたい。そう思ったら、それはデザインへの入り口です。きっかけ、アイデアは至るところにあります。たくさんの人とコミュニケーションをとりながら、やりたいことを具現化するための手法を学ぶ場。進化する長岡造形大学を、そのように理解してもらえるとうれしいですね。ご期待ください。

※設置計画は現在構想中であり、内容に変更が生じる場合があります。

PROFILE

学長
馬場 省吾