学生リポート~長岡とホノルルをつなぐピースメモリアルワークショップ
「国際交流事業支援奨学金」を利用し、2月にナガオカで、3月にホノルルで各5日間の活動を行いました。
どのような活動をしたのか?参加した感想は?そもそもなぜホノルルなのか?など、このプログラムについてレポートしていきます!
「ピースメモリアルワークショップ」とは?
太平洋戦争での切っても切れない縁を持つナガオカとハワイ。それぞれの地で建築のデザインを学ぶ長岡造形大学の学生と、ハワイ大学の学生たちが、〈平和祈念〉をテーマに相互訪問し、共にそれぞれの地に設置するピースメモリアル(平和記念碑)をデザインするプログラムが「ピースメモリアルワークショップ」です。
今回は4年ぶり4度目の開催で、計17人が参加しました。
ナガオカでの活動
ナガオカでは2月12日~16日の5日間、活動を行いました。
2月12日(1日目)
ハワイメンバーが長岡駅に到着したのを出迎え、長岡市の象徴の一つであるアオーレ長岡と、長岡造形大学構内や卒業研究展を案内しました。
雪を知らないハワイの学生たちは、雪だるまを作ったり踏んだりして人生初の雪を楽しんでいました。
2月13日(2日目)
2日目からは、デザインワークショップがはじまりました。
まずは長岡空襲で戦火を免れ、古い建物が残る摂田屋地域に行き、次に長岡駅前にある長岡戦災資料館を訪れ、長岡空襲について学びました。その後は、両大学のメンバーを入れたグループに分かれて、ピースメモリアルに関連する敷地のサイトハンティングを行い、デザインする対象の敷地を探し、決定しました。
2月14日・15日(3日目・4日目)
3日目からは、ピースメモリアル(平和記念碑)のアイディア出しをしました。
考えたアイディアは先生方からエスキスチェックをしてもらい、また考える、を繰り返しました。
2月16日(5日目)
そして、5日目の午後、各班毎にプレゼンテーションを行いました。
〈作品の1つを紹介〉
この作品は、友人のグループの作品です。NID生が1名、ハワイ大生が2名、計3名のグループでした。
対象敷地は、長岡空襲の爆心地、明治公園を選びました。子供を中心とした家族層をターゲットとし、静かで人目に触れられにくいこの場所に多くの人が訪れ、人々の記憶に残る場所になること願って提案しました。既存の建築物からいくつかの幾何学形を抽出し、平和を願う花火のモチーフに四季を彷彿とさせるデザインを日本のビー玉とハワイのシーグラスを用いてデザインしました。
以上で、ナガオカの地でのプログラムが終了しました。
長岡でのオフショット
ホノルルでの活動
ワークショップは、ホノルルに場所を移して続きます。
今度は私達ナガオカ組がホノルルを訪問し、3月20日~24日の5日間活動を行いました。
3月20日(1日目)
ホノルルに到着し、ハワイ大学の学内を探索しました。
3月21日(2日目)
2日目からワークショップ開始です。
私たちは、6箇所のサイトハンティングを行いました。
3月22日・23日(3日目・4日目)
ナガオカの時と同様、NID、ハワイ大合同のグループに分かれました。各々アイディアを考え、先生方からエスキスチェックをしてもらい、また考える、を繰り返しました。
3月24日(5日目)
5日目は最終発表で、各グループ毎にピースメモリアルのデザインアイディアを発表しました。最終発表には、プログラムに参加していないハワイ大学の学生や教授なども来てくださり、有意義な時間となりました。
〈作品の1つを紹介〉
この作品は、NID生1名、ハワイ大生4名、計5名のグループの作品です。
火山の溶岩が堆積してできた海岸を対象敷地としてメモリアルを設計しました。
この海岸は戦争や日本人移民に関する多くの歴史があったため、海岸線を歩きながら歴史を学べるようなメモリアルを設計しました。海岸の景観を壊さないように火山岩を積み上げた遊歩道を作り、そのうちのいくつかの岩を金属板で覆ってそこに歴史の説明が書いてあるメモリアルを設計し、人々が歩きながら金属の板を探すことで楽しく歴史を学べるようにしました。
ハワイでのオフショット
まとめ
私は、このピースメモリアルワークショップに参加したことで、非常に多くの違いを体感しました。例えば、真珠湾攻撃や平和に対するそれぞれの国の、各々が抱いている思いや考え方。デザインを学ぶことにおいてのカリキュラムの組み方や課題の主旨。
体感したのは違いだけでなく、共通点が多くあったことも印象に残っています。ハワイでは箸を日常的に使っていたり、汎用性が高い若者言葉(スラング)をたくさん教え合ったりもしました。言語で通じ合えなくても、相手のことを思う気持ちと、自分の考えを伝えたい意思があれば通じるのだと学びました。
それらは、「体感した」からこそ、一生忘れない経験になったのだと思います。行動するか迷ったときは、ぜひ飛び込んでみてください。案外どうにかなるものです。