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とじる
2023.01.25 学生

プロジェクトにフォーカス ~地域連携でグラフィックデザイン協力~

新しくオープンするコインランドリー&本格焙煎カフェ。 その店舗のシンボルとして、視覚デザイン学科の学生がバルクタンクのグラフィックデザインを手がけました。その様子をご紹介します。

デザインを始めるまでの経緯

(担当の山本敦教授にお話を伺いました)

どのような経緯ではじまりましたか?

山本:長岡市で建築の設備工事を手がける株式会社大新産業より、敷地内に設置するバルクタンクにグラフィックデザインをしてもらいたいと依頼があり、プロジェクトとして取り組むことになりました。
プロジェクトは、視覚デザイン学科3年の入澤凌子さん、御給みのりさん、日宇咲季さんの3名で開始。
8月1日には、学生に向けて今回のプロジェクトのオリエンテーションを実施しました。
依頼当初は、コインランドリーのサインデザインと聞いていたので、のちのち敷地内のバルクタンクのデザインだということが判明し、一瞬は違う分野(立体や工芸)の案件ではないかと、私も不安になりました。

バルクタンクが設置されるのは、長岡市内に新しく誕生するコインランドリーと焙煎カフェの併設する店舗。デザインの要望として先方から言われたことは、「店舗との整合性は一斉関係なくても良いです。既成観念にとらわれることなく自由な発想を期待しています。あえて言えば小学生の通学路なので、小学生受けをするのも良いかも知れません」というものでした。
このお店ならではの、場所のシンボルとなるようなものを目指しました。

3人のデザイン

オリエンテーションを経て、3人それぞれがデザインに取り掛かります。
デザインチェックはリモートで3回行われ、9月9日には先方にプレゼンテーションを行いました。
3名のアイデアあふれる作品は、どれも魅力的です。

御給みのりさんのデザイン

 

日宇咲季さんのデザイン

入澤凌子さんのデザイン

デザインの決定

プレゼンの結果、バルクタンクのデザインは、コインランドリーカフェの内装にマッチした御給みのりさんのものに決定しました。
デザインしたグラフィックは、トランプのジャック・クイーン・キングをモチーフとしたものになっています。コンセプトは、「トランプのジョーカーを抜いた52枚という数字は、一年が52週であることが由来となっています。洗濯もコーヒーを嗜む行為も、年中問わず人に寄り添う日常の一部。いつもよりも少しラフな服装で日常を生きるジャック、クイーン、キングの3人をメインに優しいタッチで描きました」とのこと。(御給さん)

2022年11月26日(土)に竣工祝賀会が開催され、御給さんに感謝状が渡されました。

参加学生の感想

・御給みのりさん
「仕事としてのデザインについて、深く考える貴重な経験ができたこと、その機会を頂けたことを心から嬉しく思います。メンバーの二人と山本先生とのミーティング、大学の授業のように想定ではなく、実際にクライアントがいる状況下で手を動かしたこの数ヶ月は、上手くいかないもどかしさすらも内包して、デザインを通したコミュニケーションができていることを実感でき、心温まる時間でした。
デザインのモチーフにはトランプを選んだのですが、トランプは1年が52週であることが枚数の由来となっており、一年を通して利用され、生活の一部となるコインランドリーカフェにぴったりだと思い、発案しました。大新産業様のご発展、コインランドリーカフェと共に、このガスタンクが地域の方々に長く愛されるシンボルになることを願っています。」

・入澤凌子さん
「本格的なコーヒーが飲めるコインランドリーというコンセプトや、子供たちの通学路であるという立地などの条件から、オシャレな雰囲気にしようか、子供が喜んでくれるようなカラフルな色合いにしようかと考える過程がとても楽しかったです。また会社の方も考えたデザインに様々な意見を下さったり、これいいね!と言っていただけたり、終始明るい雰囲気で取り組むことが出来ました。」

・日宇咲季さん
「今回のコインランドリーカフェタンクデザインは普段の課題とは違った楽しさと難しさがありました。日常に寄り添い、コインランドリーカフェに来た人が癒されるようなイメージでイラストを制作しました。選ばれなかったものの、実際にタンクとして置かれ形になるデザインの制作を経験することができて良かったです。」

 

このたびのデザインは、タンクの形態や設置される場所等が決まっており、グラフィック上での提案をクライアントと共につくりあげていく案件でした。実際の社会では、今回のようにさまざまな条件が前提にあるデザイン提案も多いです。クライアントと関わりながら、実際の店舗で使われるものとして、緊張感をもってデザイン提案ができる地域連携プロジェクトになりました。

店舗は長岡市内にあり、2022年12月からオープンしています。
お店の利用と合わせて、ぜひバルクタンクにも注目してみてください。

インフォメーション

Hoshiba(ホシバ)
コインランドリーjab jab、本格焙煎カフェ Come sta?の複合施設
住所:新潟県長岡市干場2-2-18