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とじる
2023.01.06 教員

ファッションとは、自分で道を切り拓いて進むこと

プロダクトデザイン学科 准教授 金石 浩一 先生
2022年にプロダクトデザイン学科の准教授に着任した金石浩一先生。専門分野は「ファッションデザイン」。その授業は、ただ洋服を作ることだけにとどまりません。金石先生の授業で学べる本当に大切なこととは?熱い言葉の数々にご注目ください。

ファストファッションの時代はいつまで?

先生の専門分野や授業について聞かせてください。

3、4年生は特に洋服を作る授業が中心です。でも、作ることだけがファッションの勉強じゃないんです。おしゃれなものやファッショナブルなものって、洋服に限らず車やインテリアにも当てはまりますよね。色々なものの見方を「ファッション」という切り口で考えデザインする研究をしています。

それに加えて革命というか、新しい時代を作ることもファッションです。求められるものを作るだけではなく、個性を見せていく。流行に関係なく自分自身で突き進んで道を切り拓いていくことがファッションだと私は思います。大量に作って大勢に喜んでもらうものづくりの方向性もあるけれど、洋服に置き換えるとそれはファストファッションということ。そういう時代は、もうそろそろ終わるんじゃないかなと私は思っています。

なぜそう思うのでしょうか?

世の中は循環していますよね。僕らの時代で当たり前だったレコードやアナログカメラがリバイバルしています。今後さらにファストファッション化が進めば、飽きる人は必ず出てくる。もっと強い言い方をすれば、そんなことを繰り返しているから日本はダメになってしまったんじゃないかと。
個性を潰してマジョリティ(多数派)なものばかり作ってきたから、世界に打ち出すものがなくなった。そういう考え方もあると思っています。

ファストファッションではなく、オートクチュール(オーダーメイド)に近いもの。この先はそういうファッションが輝く時代になるのではないでしょうか。たとえマイノリティ(少数派)であっても、そういった人に向けて作るのがファッションデザインの魅力だと思います。

長岡造形大学は学生の個性を大事にする先生ばかりです。その中で、学生にはもっと個性的なもの、主張の強いもので私たちを楽しませてほしいなと思います。

大学でファッションデザインを学ぶ意義

研究室のお二人はなぜファッションコースを選んだのですか? また、金石先生の授業はどうですか?

小さい頃からファッションデザイナーに憧れがあり、服作りができる環境に身を置こうと思い長岡造形大学に入りました。金石先生の授業を受けて、改めてファッションは一筋縄ではいかないものなんだなと。たとえば作品のコンセプトについて先生に相談すると、自分では「ある人のため」に作っているつもりでも、自分の主観が強いことに気づくんです。そんな時、金石先生は視野の広げ方を教えてくれます。(4年生・窪田泰一さん)

私は、金石先生のファッション画実習が一番楽しくてやりがいがあったので、ファッションコースを選びました。金石先生は、学生の考えを大切にしてくれる先生。指摘する時も根本から否定するのではなく「ここは変えずにここをこうしたら良くなるよ」と言ってくれる。それで授業が面白くなりました。(4年生・小林愛さん)

「学生の考えを否定しない」。先生が大事にしていることですか?

大学って何?と考えると、そもそもファッションコースを設置している大学ってまれなんです。その理由は専門学校があるから。専門学校では徹底して洋服を作るので、時間のかけ方ではかないません。

では大学で何を教えるのかというと、洋服作りを通してコンセプトの立案、表現の仕方、個性の出し方…それらを「研究」と呼ぶにふさわしい形で追求してほしい。それが金石流にならないように、学生自身の考えで新しいものを作ることに重点を置いているんです。そして、実物を見せるだけでなく、デザイン画を見せて納得させるプレゼンテーションも重要です。

授業でもプレゼンテーションをするのですか?

よくありますよ。自分の作品を私や他の学生に向けてプレゼンします。プレゼンテーションはみんなが緊張するもの。その時、場の空気が和むような笑いも交えているといいですね。社会に出て、他の人と同じテーマでプレゼンテーションするならなおさら。
たくさんの提案の中で「あれ面白かったよね」と、覚えてもらえるような話し方や特徴的なデザインによる印象づけは重要です。

卒業して社会に出れば否が応でも会社の要望に答えるために正解な答えを出さなければなりません。だからこそ長岡造形大学の4年間で、自由な創作や個性の出し方を学んで、正解を追求することではなく、自分の特徴を出してほしいんです。

「自分はここにあり」。個性を輝かせよう

学生のお二人は就職先が決まっているのですか?

私はドレスコーディネーターとしてウエディングドレスのレンタルショップに就職します。会社の利益を考えたドレスの提案も仕事になると思うのですが、私はお客様の希望を最優先し、お客様が着たいドレスを着てほしい。金石先生にそうしてもらったように、お客様の考えを絶対に否定しないドレスコーディネーターになりたいと思います。(小林さん)

私はアパレル系ブランドの総合職で内定をいただきました。入社後は販売を担当し、いずれはデザイナーになりたいと考えています。社会に出たら自分の自由にならない場面も増えてくると思います。でもそれに慣れすぎず、いつでも「ゼロ」の状態に戻れる自分でありたいです。(窪田さん)

最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします。

ファッションに関して、僕は主張してなんぼ、「自分はここにあり」の気持ちで目立たないとダメかなと思っています。それは考え方も洋服も。どんな環境であっても「自分」という存在をアピールしてほしいです。

最後にお知らせです。2023年1月22日(日)、学生たちの集大成となるファッションショー「PARADE」を開催します。ポスターは視覚デザイン学科の学生が監修し、ステージは建築・環境デザイン学科の学生が創り上げる長岡造形大ならではのショーです。一般の方も入場できますので、ぜひ足を運んでもらえたらと思います!

PROFILE

プロダクトデザイン学科 准教授
金石 浩一(かねいし こういち)

ファッションショー「PARADE」

2023年1月22日(日)
会場:長岡造形大学 
※全2回公演(同内容を行います)
1回目:15時〜(開場:14時30分)
2回目:17時~(開場:16時30分)
申込不要
※詳細はこちら