• マイリスト
  • 大学案内
  • 入試情報
  • 新着情報
  • 人気記事
  • 対象者別
とじる
小松佳代子准教授と岡谷敦魚准教授
2021.02.23 教員

「工房このすく」もっと気軽に、誰もがアートを楽しめる社会を目指して

副研究科長 大学院 造形研究科 小松 佳代子准教授(写真右)
美術・工芸学科長 岡谷 敦魚准教授(写真左)

長岡造形大学の先生や、アーティストたちの手により生まれた、“工房このすく”。今回は、創設者でもある岡谷 敦魚先生と、小松 佳代子先生にお話を伺いました。アーティストも、そうでない人も、気兼ねなくコミュニケーションを取れるのが、この工房の魅力。“このすく”はどんな場所で、どんな人の訪れを待っているのか、お伝えします。

“工房このすく”とは?

“工房このすく”はどのような経緯でいつ作られたのでしょうか?

工房このすくの内観

岡谷:“工房このすく”は、長岡市呉服町にあるmaison de たびのそら屋というギャラリーの「月の間」をお借りして、2020年6月に6人のアーティストと研究者で設立しました。

小松:岡谷先生と私は長岡造形大学の教員ですが、他に造形大の卒業生で市内の中学校の教員をしている永井愛さん、大橋麻耶さん、同じく卒業生で現在大学院で学んでいる坂井友美さん、市内在住の美術家であるコイズミアヤさんの6人が創設メンバーです。

“工房このすく”には、版画制作に必要な道具が揃っていると伺いました。ここは、版画工房だととらえてよろしいのでしょうか?

小松:版画工房ですが、それだけではありません。「Arts-Based Research labo & HANGA studio 工房このすく」というのが正式名称です。

工房入り口の看板

「Arts-Based Research」とは、何でしょうか?

小松:日本語に訳すのが難しいのですが、芸術制作過程において働く思考や探究を根拠にして研究を進めていく試みのことです。この研究のためには、できあがった作品だけではなく、制作の途中でアーティストと議論していくこと、アーティスト自身が研究していくことなどが欠かせません。

銅版画プレス機の写真

卒業生やアーティストに活動の場を

「Arts-Based Research」の場であるという“このすく”に、これだけの版画制作の道具をそろえたのには、どのような理由があるのでしょうか?

刷り上がった銅版画

岡谷:”このすく”立ち上げの理由のひとつに、「大学を卒業した版画家たちが、版画を続けられるように」という願いがあります。版画というものは、さまざまな道具や、銅版画の場合は腐蝕するための専用の設備、プレス機などが必要で、版画を続けるのはとても大変なことです。版画の設備が街中にあることで、制作を続けることが出来ます。

月曜版画部について話す岡谷准教授

もう一つの理由は、長岡の人たちにも版画の制作を体験してもらいたいということです。現在、毎週月曜日の夕方から「月曜版画部」という銅版画の講習会を行っています。また、普段は版画の制作をしたことがないアーティストが、銅版画の制作をしたり、シルクスクリーンの技術を使ってTシャツやバッグにイメージを印刷したりと“このすく”の設備を活用していただいています。陶芸家の器に、ロゴを刷る手伝いをしたこともあります。地域のアーティストに、自身の活動の場を広げるために版画を活用してもらいたいと考えています。

工房に並ぶ版画制作の道具

誰もがアートの話をできる場所として

版画制作のほかには、どのような活動を行っているのでしょうか?

工房の壁面に飾られた作品

小松:ワークショップや展覧会、読書会、文化講演会なども実施しています。2020年8月には「なつやすみ子どもワークショップ 空の日」、10月には創設メンバーの作品を展示する「このあたりのこのすく展」を開催しました。他に2ヶ月に1度のペースで、オンラインも併用しつつ読書会をやっています。

また、10月31日には京都大学教授の西平直先生と若いアーティストの対話「生きることと表現すること」、2月11日には公共彫刻を研究している小田原のどかさんをオンラインでお招きして「美術と社会との交点―公共彫刻の裏側」という講演会を実施しました。オンラインを含めると、20人から30人ほどの参加を頂いています。“このすく”のすぐ裏には柿川という川が流れています。この川の周辺に市民が作っているさまざまな場所を結ぶ「かきがわひらき」というイベントにも参加し、11月15日には、版画のワークショップとデモンストレーションを行いました。

アートをこの地の日常にしたい

最後に、これからの“このすく”にどうなってほしいか、お聞かせください

小松:“このすく”があることで、普段制作しない人がちょっと何かを作ってみたり、アーティストの制作過程に触れたりすることができて、アートがこの地の日常になってほしいと思っています。

工房の展望について話す小松准教授

岡谷:今は私たちが運営していますが、後々はいろいろな人が“このすく”に関わってくれて、誰が創設メンバーかわからなくなるくらい、この場所が平等で対等な創造や議論の場になっていってくれることを期待しています。

工房の展望について話す岡谷准教授

PROFILE

副研究科長 大学院 造形研究科 准教授 (肩書は取材当時)
小松 佳代子(こまつ かよこ)

美術・工芸学科長 准教授
岡谷 敦魚(おかのや あつお)

工房このすくについて

工房このすくの入り口

アクセス

〒940-0056
新潟県長岡市呉服町2丁目1−5

SNSアカウント