• 対象者別
  • マイリスト
  • 大学案内
  • 入試情報
  • 新着情報
  • 人気記事
  • NID Focus
とじる
2022.07.01 教員

スタート目前! 新生「デザイン学科」で変わること

2023年4月、長岡造形大学は新たな学科編成へと進化します。気になる学科新編成について情報発信するシリーズ、第3回目は新生「デザイン学科」にフォーカス! 現 プロダクトデザイン学科の齋藤和彦先生、現 視覚デザイン学科でグラフィック専門の長瀬公彦先生、同学科でメディアアートやテクノロジー分野専門の真壁友先生に話を聞きました。

選べる、増やせる、レベルアップの引き出し

来年いよいよ「デザイン学科」が誕生します。「プロダクト」と「視覚」に新たに「テクノロジー」が加わり、学びの領域が広がった「デザイン学科」となりますが、学びの内容はどう変わりますか?

 

齋藤 ここ数年、プロダクトデザインの業界では「モノ」だけではなくそれを動かすアプリやグラフィックまで提案するようになりました。それらの分野を一つの学科で学べるので、より完成度の高いものづくりが期待できますね。

長瀬 グラフィックも同じです。ポスターなど紙モノ中心の時代から、お店の看板、空間、WEB、そこで扱う商品(プロダクト)と、対応範囲がどんどん広がっています。

真壁 デザインで何かを作ったとき、プログラミングやデバイス、電子回路を付け足して「動かす」ことで、一気に良さが伝わったり、改良点が見えたりすることがあります。今回3つの領域が一緒になることで、作ったものを実際に世の中に送り出したり、それをもとに起業したりと新しい可能性が見えるのではないでしょうか。まずは造形やデザインに興味を持ってもらい、その後のレベルアップの一つの道具としてプログラミングも使ってもらえればいいですね。

<真壁 友 准教授>

3領域が合わさることで勉強が大変になったり、逆に専門の純度が下がったりする心配はないのでしょうか?

 

齋藤 やることが増えるというより、専門を選べる幅が広がる感覚だと思いますよ。

長瀬 職人や料理人なら「10年修行して一人前」という考え方もありますが、デザインにおいてはパソコンや3Dプリンタが普及し、一足飛びでできることが増えました。そう考えると効率良く幅広い学習を行う方が、今の社会に適合しやすいと思います。一方で、自分の軸足となる部分はしっかり固めることが大事です。

 

専門領域が交わる授業で、将来をイメージ

「引き出しを増やしつつ、軸足を置くところを定める」と考えると良さそうですね。授業のやり方も変わりますか?

 

齋藤 1年次は色彩や立体造形といった基礎を丁寧にやります。そこは変わらず本学が大事にする部分です。1年生後期から本格的にデザイン学科の授業が始まります。専門に特化する授業もあれば、他領域の授業を選択できるようにもする予定です。

真壁 今は課題ごとに教員が入れ替わっていますが、新しいデザイン学科では、学生とともに教員がお互いの領域を超えて一つの課題に取り組むこともあります。私も今から楽しみです。

長瀬 社会に出ると、専門の違うメンバーがチームを組む場面は多々あります。一つのものを世の中に出すために、プロダクトの細部はどうするか、どんなWEBサイトにするか、広告はポスターなのかCMなのか。そうした授業はある程度地固めができた3年生頃からやることになります。

齋藤 その頃には、分野ごとに設定するスタジオでの学びもはじまる予定です。1分野1教員の体制ではなくて、ひとつのスタジオに複数の先生が関わって、学生は学びたいスタジオを選ぶという形にできればと思っています。私たちにとっても新しい挑戦です。
<齋藤 和彦 教授>

 

実際に社会に出た時と同じように、領域の異なる人たちと交わりながら学べるんですね。ちなみに、将来はデザイナーになる方が多いと思いますが、ちょっと変わった進路などはありますか?

長瀬 今は就職先もユニーク。地元にUターンして市役所に就職した学生もいます。配属は、アートやデザインを軸にして街を変えていく専門の部署。デザインで市民生活を良くする取り組みを考えているそうです。今までデザイナーと公務員は対極な職業であるかのようなイメージだったけど、今はそうではない。むしろ、こういう進路を積極的に選ぶ学生も増えています。

齋藤 美大系卒業生を採用する官公庁は増えてますよね。直接的な解決でなく、もっと手前から問題を考えていくという、デザインをする人の考え方が注目されているんですね。

真壁 会社の売上を左右するような商品開発では、デザイナーに限らず多様な人が関わることが大事です。同様に、本学の卒業生も学んだことを活かしてデザイナー以外の多方面でも活躍できると思います。

長瀬 学んだことを社会に還元していくやり方は、何もド直球のデザイナーだけではない。実は社会も、そのことに気づきはじめているんです。

<長瀬 公彦 教授>

 

デザインは好奇心と創りたい衝動

どんな人に長岡造形大学で学んでほしいですか?

 

齋藤 デザインは好奇心。幅広く興味を持ちつつ、途中で方向性が変わってもいいから、何か目的を持っている人に来てほしいですね。

長瀬 「色んなことができる」という理由だけで来てしまうと、あれこれ迷ってしまって、4年間では短すぎたということにもなってしまいますからね。広く興味を持つことはとてもいいことだけど、「最も好きなことはここ!」が言える人がいいですね。

真壁 私は手を動かすのが好きな人に来てほしいです。脳で考えるより指先で考える。あるいは、アウトプットしながら次のことを考える。作ってみて分かることは色々ありますから。

齋藤 まず行動に移す、と。

真壁 そうですね。あとは、「絵を描くことが好き」という学生も多いですが、絵のスキルはデザインの要素のひとつでしかない。どうやったら生活が便利になるのかというような、「設計」とか「企画」と呼ばれる部分もデザインの一部です。そんなことをやってみたい人にも興味を持ってもらいたいですね。

長瀬 学生によく言うのですが、受け身じゃなく能動的であってほしいと思います。我々はきっかけを作りますが、そこから深掘りするのは学生自身です。自分の興味、学習能力、全てを能動的に発動してほしい。「先生に教わる前から手が動いちゃった」くらいの勢いがあるといいですね!

 

PROFILE

造形学部
プロダクトデザイン学科 教授 齋藤 和彦 (掲載当時)
視覚デザイン学科 教授 長瀬 公彦
視覚デザイン学科 准教授 真壁 友